脳の動きに沿って、行動をコントロールする方法についての本です。
特に、「やめたほうがいいと思いつつついやってしまう」「やるべきことは明確なのにサボってしまう」など人間らしいといえば人間らしいですが、困った行動を対象にしています。
ざっくり言うと、
- 脳の動きは、意志、思考の力以上に、自動的に動く部分が多い。
- そこをうまくコントロールすることで行動を変えることができる。
また、重要な観点として、
- (思考などの意識的に脳を使った時以外にも)無意識の脳の活動により、疲労が蓄積する。
- 脳の疲労が蓄積すると、判断力やる気が低下する。
というものがあり、できるだけ無駄な負担がかからないようにすることが重要ということです。
かなり実践的な内容になっていて、すぐに取り組める話が多いのでオススメです。 また、それぞれの章の導入には、4コマ漫画や身近なエピソードがあるので、理解しやすい作りになっています。
以下では、気になったところ、実際にやってみて良かったものを記事にします。
睡眠について
睡眠時間は脳の活動に重要というのはよく言われますが、特に具体的にどうするかの基準が明確になっています。
- 起床から4時間後が脳のピーク。この時に目が冴えているか? => 目が冴えてないなら、睡眠不足
- 起床から6時間後に一度「目を閉じて」休む。
- 起床から11時間後は体を動かして暖める。そうすると、よく眠れる。
やらなくていいものを見せない
視覚は強烈に脳の活動に影響を与えます。
- 目に入ったものは自然と手に取ろうとする。
- それを前頭葉が防ぐ(他人のものだしとか)。
そのせめぎ合いを無意識下で常に行っているとのことです。
そもそも、人間の脳が意識的に行う活動は、シングルコアCPUをマルチタスクOSで動かしているようなもので、一度に一つのことしかできないとのことです。
なので、以下の方針が立ちます。
- 何かやる時は、整理整頓して、気を散らすものを視界から除去する。
- TODOリストも机に広げず、やることを一度メモしたら、カバンにしまう。
- (一つのことが終わったら、次のリストを取り出して行う)
- やりたくないことのトリガーになっているものは、自然に視界に入る場所に置かない。必要な時に取りに行くようにする。
このトリガー(テレビのリモコンなど)を定位置に置くというのは、視覚効果の他にも、あえてそこに行かないとできないようにすることで、思いとどまるタイミングが生まれるのでその意味でも効果的ということです。
ちょっとだけ手をつける
ここでも視覚がキーになっています。
視覚イメージがつかないものは、脳はどうすべきかわからないとのことです。
ここでいう視覚イメージは作業の完成像や、作業イメージのようなものではなくて、具体的に作業に着手したところを見せることだそうです。
勉強する必要があれば、ノートに日付を書くことレベルで良いとのこと。
またそのタイミングとしては、作業の区切りのすぐ後が良いそうです。
そうすると、次に何をすれば良いのかが脳に伝わるので、なんとなくテレビを見続けるのと同じ原理で、その作業をやるように脳が動くとのことです。
また、作業の区切りを明確にするという意味で、日常から、きっちりとドアを閉めたり、カバンを閉めたりということを習慣にすると良いそうです。
脳は、作業が終わったと考えられ、終わったのか?次いって良いのか?と迷わなくなるからだそうです。
上記をまとめるた行動例としては、勉強をしたい時は、
- 帰宅したら、カバンを置いたら、そのまま勉強道具を出して、きっちりカバンを閉める。
- その場でノートを開いて、1行目に日付を書く
というようにすると良いそうです。
これは実際に試してみましたが、確かに、このタイミングでとりあえず手をつけると、他のことをやってもなんとなく気になって続きをやりたくなる感じがして、結局やることが多くなりました。
頑張る必要もないので、これはオススメです。
経験的な言葉を使う
視覚の他にも、言葉でも差が出るそうです。
感情的な言葉に、自分なりの感じたことを表す「経験的な言葉」がコントロールする上では重要とのことです。
- 「何々のように感じた」
- 「何々のようだ」
リハビリの際のエピソードですが、「腕が鎧を着ているようで動かない」というように感じていれば、「鎧を着たままうごかすことはできそうですか?」というようにすると、腕を動かすことができる場合があるそうです。
他のアプローチも
他にも、
- 「やってはいけないもの」を繰り返しやってしまう時の脳で起こっている心理学的な側面
- 能動的な触覚はOKだが、受動的な触覚は嫌
など様々なアプローチが載っているので、「すぐやる」ようにしたい場合はオススメです。
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