時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人 SMARTCUTS
いかに無駄を省いて、成果をあげるか?をテーマにしたビジネス本です。
エピソードが多く、カジュアルに読めてしまいます。
どこかで聞いた話や、身近なエピソードに加え、最新の研究が盛り込まれているので、「おっ」と思うエピソードが見つかると思います。
個人的に、ささったエピソードを紹介します。
メンターの効果
メンターの有効性は、誰しも認めるところと思います。メンターを制度として取り入れている企業も多いですね。
また、メンター制度とはいわずとも、実際の職場のOJTでは先輩社員が育成担当となって、実質的にメンター制度として機能していることがあります。
この本で紹介している最新の研究によると、
- 自然発生的なメンター関係は有効
- 強制されたメンター関係は効果がある場合、ない場合がある
ということです。
最終的に、仕事上の付き合いだけでなく、交友関係などまで発展するレベルでないと効果が薄いとのことです。
企業でメンターを活用する場合は、メンターを指名するのではなく、メンターを見つけやすいような環境づくりをする方が効果的なようですね。
この本では、個人間のメンターだけでなく、フェラーリのF1ピットクルーチームが、医療チームのメンターとなるという、組織間のメンター関係の話があります。こちらは、チームの改善活動の話としても興味深いです。
初等教育で計算機を使うのはOK!
フィンランドの教育改革のエピソードからです。
初等教育において、九九を覚えるべきか、計算機を使ってOKとするか?というのは、教育学的には結論が出ているそうです。
結論は、「計算機を使ってOK」です。
「計算機を使ってOK」として、計算手順を覚えることに時間を割かず、その時間をどうやって応用するかしっかり考える方が、数学の能力が高まるとのこと。
計算機の使用だけでなく、広範囲かつ抜本的な取り組みの結果ですが、最終的に、授業時間は従来の半分に減少し、数学の成績が向上するとかなり効果を上げています。(応用力だけでなく、計算などの基礎能力も好成績とのこと)
フィンランドの教育改革には、他にも見るべきところが多くお勧めです。
プログラミング教育に当てはめると、伝統的なhello world
から一つ一つやるよりも、Ruby on rails
などでとにかく動くものを作る方が、Webシステムの全体像がわかり、結局プログラミングもできるようになるという感じでしょうか。
馬車をスピードアップするには?
クリステンセン氏の継続的イノベーションと、破壊的イノベーションの差を鮮やかに描き出すエピソードです。
自動車が出る前、馬車はかなり成熟していました。
馬車時代の最後期に、盛んだった研究はなんだったでしょうか?
実は、馬の品種改良でした。
イメージもつきやすいですし、そのどうやっても自動車に到達しない感じが伝わります。
このような興味深くて、ためになるエピソードがたくさんあるので、一度読んでみてはいかがでしょうか?
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